アフターコロナにおける新卒採用活動、どう変わる?【企業向け】

新型コロナウイルス感染症の影響によって、採用活動の予定を変更しなければならなくなった企業は多いでしょう。他社はどのように採用活動しているのか?今後大切になるのはどんなこと?不安に思われる採用担当者の方々に向けて、予測を含めてまとめてみました。

1.21卒採用における企業の動き

当初の予定

調査データグラフ

株式会社ディスコが行っているキャリタスリサーチの企業調査データ「2021年卒・新卒採用に関する企業調査-採用方針調査(2020年2月調査)」によると、
21卒採用では、「自社セミナー・説明会の開始」「エントリーシート受付開始」について、「3月上旬」以前に開始した企業の割合が前年実績より大きく上回っています(+9.3%、+17.2%)。

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エントリーシート結果通知」「面接の開始」についても軒並み早期化しており、一段と早く採用活動が動き出す予定となっていたことが伺えます。

早期化した背景として、今年から経団連ではなく政府主導の採用活動となったことや、2020東京オリンピックが開催される予定であったことが影響しました。

新型コロナウイルスの流行(3,4月)

新型コロナウイルスは当初の予測よりも非常に甚大な影響をもたらし、大型合同説明会は続々と中止・延期となりました。

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株式会社ディスコが行った企業調査「【確報版】新型コロナウイルス感染拡大による採用活動への影響調査(2020年3月)」によると、
新型コロナウイルス感染拡大の影響について、「かなり影響がある」(46.3%)「やや影響がある」(42.2%)をあわせて約9割の企業が影響を受けたと回答しています。

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3月下旬時点の採用活動状況については、「基本的には進めているが、⼀部⾒合わせている」が最多(47.7%)となっています。対面型の自社説明会の開催や面接などの選考を中止・延期にせざるを得なくなり、就職活動は予定より停滞気味に。一方、元々リモートワークやWEBの活用をしていた企業は、感染防止策を講じながら採用活動を進めていました。

これからの予測(5月以降)

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同調査データによると、選考開始・内定出し開始時期の変化については、「当初予定通り」に⾏う企業が全体の6割(60.5%)となりました。開始を遅らせるケースでは、「2週間程度」「1カ⽉程度」遅らせる企業が多い(10.4%、10.0%)です。

また、採用活動終了予定時期の変化については、過半数(計52.0%)が「遅れる見込み」と回答し、採用活動が長期化することが伺えます。

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3月時点でのWEB活用の状況について、WEBセミナーを「新型コロナウイルスの影響で新たに導入した」企業は3割強(34.0%)。「もともと実施していた/実施予定だった」(16.3%)を合わせて半数以上(50.3%)がWEBセミナーを実施しています。
今後も引き続き、コロナウイルス感染対策として、WEB説明会やWEB面接によって選考を行う企業が多いと予想されます。
ただ、規模の小さい企業などでは、手指の消毒やマスク着用などの対策を施した上で、対面での面接を行うケースも少なからずあるでしょう。

学生側も企業側も、採用活動に対しての危機感を強く持っていると考えられるため、これからの動きのスピード感が大切になってきます。

2.採用を成功させるために重要なポイント

当初の予定よりも後ろ倒しになってしまった21卒採用活動は、あまりにも長期化してしまえばのちの22卒採用にも影響を及ぼしてしまうかもしれません。これから大切になってくるのはどのようなことなのでしょうか?

WEB上のコンテンツを充実させる

従来、大型合同説明会が開催されていれば、自社のことを知らない通りすがりの学生との接点が生まれ、その場で魅力を伝えることが可能でした。ですが、コロナ禍にある現在では、学生がインターネットを用い、自分の興味のある業界・企業を探すこととなります。ですから、WEB上のコンテンツを充実させておくことが、多くの学生に興味を持ってもらう上でより一層大切になってきます。

リクルートサイト内の紹介ページや企業ホームページに必要最低限のことしか書かれていない企業は、学生からは魅力的に映りません。次のアクションにつながりやすくするために、事業内容や雰囲気など、会社の魅力がよく伝わる文章作りを心掛けましょう。

第三者機関からの評価を得て、採用活動に役立てる

BtoB企業や中小企業など、学生からあまり知られてない企業だと、そもそも興味を持ってくれる学生の数を増やすことがさらに難しくなってきます。学生が能動的に企業探しをせざるを得ない状況の中で、第三者からの評価を受けているという事実は、学生側に「いい企業かも」と思ってもらえる重要な判断材料となります。

■ホワイト企業認定

弊財団が展開する制度で、1,000社以上の調査実施により作成された70設問に答えていただくことで、「次世代に残したい企業=ホワイト企業」かどうかを総合的に判断・評価して認定しています。取得に及ばなくとも、これからの貴社の課題を可視化することができます。
ホワイト企業認定:https://jws-japan.or.jp/recognition/

■ホワイト500(健康経営優良法人認定制度)

経済産業省によって行われている制度で、企業が従業員に対して健康促進を行うための取り組みを行っていることを評価する制度です。
ホワイト500(健康経営優良法人認定制度):https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html

■くるみん(子育て支援)

厚生労働省によって行われている認定制度で、「子育てサポート企業」に取り組んでいる企業に与えられるマーク(くるみんマーク・プラチナくるみんマーク)です。
くるみん(子育て支援) :https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/kurumin/index.html

■えるぼし(女性活躍推進)

厚生労働省によって認定される制度。「女性活躍推進法」をもとにした行動計画を作り、女性の活躍を推し進める取り組みを実施している企業を認定しています。
えるぼし(女性活躍推進) :https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html

選考フローのオンライン化

緊急事態宣言が解除されたからといって、コロナウイルス感染の危険性はなくなったわけではありません。学生側も強い危機感を抱いていますので、交通機関を使って会社まで向かうことに抵抗感を持っている学生は多くいるでしょう。従来通り、対面での説明会や面接を行っていると、感染リスクを伴うだけでなく、学生の志望度を下げてしまったり、選考辞退につながってしまったりする可能性があります。

選考が激化すると考えられる5月以降は、選考フローをオンライン化し、スピード感をもって行っていくことが大切です。説明会や面接において、WEBを活用した選考を整えることで、優秀な人材を確保しやすくなります。

ただ、オンライン上のやりとりだけでは感じ取りにくい非言語情報があるのは否めず、一度も会わないまま内定出しをするのは不安に感じるかもしれません。

今まで目で感じていたものを引き出すために質問内容を再構築することや、WEB面接の回数を増やすことで、より深く学生個人を知り、会社について伝える意識が必要となります。最終面接のみ対面でおこなう等、オンラインとオフラインの併用によってミスマッチを防ぐことも可能です。

WEB説明会

WEB説明会では、実際に会社に来てもらえないことをカバーする内容を盛り込むと効果的です。社内ツアーを動画で疑似体験できるようにしたり、社員の人柄が伝わるような写真を多く入れたりすると、学生にイメージが伝わりやすくなり、魅力的に感じてもらいやすいでしょう。

コロナ対策に有効な制度のアピール

未曽有の事態によって、企業の働き方も大きく変化することとなりました。これから社会人になろうとする学生は、目の前の就職活動に関してだけでなく、その後、社会人になってからの働き方についても非常に大きな不安を抱えています。テレワーク制度やフレックスタイム制度など、柔軟な働き方ができる会社だということを積極的にアピールしていくことで、学生の不安を解消し、魅力的に感じてもらうことができます。

学生に寄り添う対応

企業側にとってもそうですが、学生側も非常に不安な状況の中で就職活動を行っています。就職活動だけでなく、大学の講義など、さまざまな部分で生活の変化に対応せねばならず、予期せぬアクシデントが発生してしまうことがあるでしょう。コロナウイルス感染などの体調不良によって、就職活動が思うように勧められない学生も存在します。そのような学生に対しても、選考を延期するなど、ある程度の柔軟性をもって対応することが望ましいです。

まとめ

予定より採用活動が後ろ倒しになっている中で、満足に人材が確保できなければ、22卒の採用活動準備にも関わってきてしまいます。業種ごとに大変さにも差があることと思いますが、柔軟さとスピード感をもって活動していくことが、企業の今後を大きく左右することになります。健康面に十分気を付けた上で、双方が満足できる新卒採用を行えるよう取り組んでいきましょう。

(アイキャッチ画像:RRiceさんによる写真ACからの写真)