これから広がる「通年採用」とは?実施している有名企業と成功させるポイント

経団連(日本経済団体連合)ルール廃止や新型コロナウイルスの影響で、採用活動について、新卒一括採用から通年採用にシフトチェンジする動きが広がっています。

これから、新卒採用のかたちは大きく変わっていくことが予想されますが、通年採用にはどのような特徴があり、どのような点に注意しなければならないのか?実際に通年採用を実施している企業一覧とともに、ご紹介していきます。

通年採用と新卒一括採用

通年採用とは、企業ごとに必要なタイミングで、随時(年中)採用を行う仕組みのことです。海外では一般的な採用方法ですが、日本は慣習的に新卒一括採用を行っており、通年採用をしている企業はまだまだ少数派です。

新卒一括採用が一般的である背景として、経団連が主導となって、採用活動が学生生活に支障をきたさないよう、採用活動の時期について制限を定めていたことが挙げられます。

ですが、少子高齢化が進む中で人材の確保が十分にできない企業も多く出てくるようになり、ルールに参加せず、早い段階から選考を開始する企業が増えました。就活ルールは実質形骸化し、採用活動の早期化が進んでいました。

そういった背景をふまえ、2018年に経団連が就活ルール廃止を発表し、2019年には、通年採用を推奨する立場を示しました。今まで慣習となっていた横並びの採用活動と、それに伴う「終身雇用」「年功序列」モデルは変化し、通年採用を取り入れる企業は増えていくことが予想されます。

通年採用に対する学生の反応

採用ルールについての調査グラフ
引用:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO50612990U9A001C1000000/

日経新聞社が調査した「採用ルール、どれが望ましいか」というアンケート結果によると、「一括採用と通年採用の併用」が41.3%、「通年採用」が19.5%、「一括採用」が39.3%となっており、通年採用を望まない学生が約4割いることがわかります。

学業を優先する目的で推奨されている通年採用ですが、かえって就職活動が長期化し、学業や学校生活が阻害されるのではと不安を感じているようです。卒業後からの就職活動にも柔軟に対応できるよう仕組みの整備が伴わなければ、通年採用は学生にとって負担が大きくなってしまうかもしれません。

通年採用のメリット

通年採用についての概要をご紹介したところで、通年採用を取り入れることでの企業側からみたメリットについて述べていきます。

①ミスマッチを減らせる

通年採用は、ゆっくり時間をかけて行えるので、企業のことをより深く伝えることができますし、学生のこともよく理解することができます。それによって、入社後に学生側・企業側の双方が感じるギャップをなくすことができるので、ミスマッチが生じにくくなります。

②多様な人材に対応できる

通年採用を行うことで、3月に卒業する学生だけでなく、留学等を経験して卒業の時期がずれた学生や海外大卒の学生、卒業してから就職活動を行う人、新卒入社後すぐに辞職した第二新卒など、就職活動の時期が様々な人材に柔軟な対応をすることができます。

③スケジュール調整がしやすくなる

一括採用のスケジュールで学生が就職活動を行う中では、複数の企業で説明会を受けたり、エントリーしたりすることとなりますが、企業に提示された日時が重複してしまうことが頻繁に起こり、キャンセルせざるを得なくなる場合があります。採用担当側からしても、複数の学生とスケジュール調整を行うので時間がタイトになります。

通年採用では、採用活動の期間が集中していないため、スケジュールの都合がつけやすくなります。

④内定辞退の補てんがしやすい

新卒一括採用の中で、目標の数だけ内定出しを行っても、内定辞退者がでてしまうことがあります。辞退されないように内定者フォローに力を入れていたとしても、企業側にとって悩ましい問題でしょう。通年採用であれば、必要な数だけその都度採用することができますので、内定辞退の補てんがしやすくなります。

通年採用のデメリット

①採用コストが増える

通年採用となることで、求人広告を長い期間出し続けることや、個別対応での選考による工数の増加といった、採用コストが大きくなる可能性があります。合同企業説明会などに参加しても、一括採用の場合ほど多くの学生にアプローチするのは難しくなります。

②学生の志望度を上げるのが難しくなる

就職活動へのおおまかな期限がなくなることで、学生は就職先を決定する踏ん切りがつきにくくなります。学生に、自社がいいと思ってもらえるよう、より志望度を上げる工夫をせねばなりません。

③広報力がさらに必要とされる

学生にとってネームバリューのない、BtoB企業・中小企業は、大手ナビサイトなどで目にとまることがある一括採用よりもさらに学生に認知してもらうことが難しくなります。自由な時期に採用活動ができることによって、広報力よる格差は大きくなります。

通年採用を成功させるポイント

①採用市場を把握する

通年採用を取り入れる企業が増えてくると、いままでは競合しなかったような業界や企業と競合することが考えられます。他社の選考の状況や、学生の企業選びの傾向など、採用市場の変化に気を配りながら戦略を練ることが大切です。

②学生側のスケジュールを把握する

柔軟性があることが通年採用の良いところですので、学生側の負担とならないよう、学生のスケジュールを把握することが重要です。部活動や留学などで不在になる時期や、授業の状況などに合わせて、選考を進めていくのが望ましいです。

③採用エリアの拡大

通年採用を行うことで、学生及び採用担当者の負担が一時期に集中することが少なくなるため、採用エリアやターゲットを拡大しやすくなります。今までよりも広いエリアで学生と出会うことで、より多様な人材を確保することができます。

④オンラインツールを活用する

先ほどの採用エリア拡大の話と繋がりますが、オンラインでの面接や説明会を行うことでより広いエリアの人材にアプローチすることができます。自社から遠く離れた地方の学生や、海外にいる学生に対しても選考をおこなうことができますので、オンラインツールを活用しての採用活動は、通年採用をする中で重要です。

⑤自社採用サイトの整備

通年採用では、一括採用のように大手ナビサイト経由でのエントリーは見込めないため、自社の採用サイトを整備しておくことが大切です。サイトからエントリーができるようにしておくことと、自社の強みや魅力をしっかりPRするコンテンツがあることが大切です。

弊財団が運営している「ホワイト企業認定」は、1000社以上の調査実施によって作成された、ホワイト化のために取り組むべき70設問に回答頂くことで、企業のホワイト化を総合的に判断・評価する認定制度となっています。第三者機関による評価ですので、取得しアピールすることで、採用定着にプラスの効果をもたらします。

認定に及ばなくとも、自社の課題を可視化できるフィードバックがありますので、一度挑戦されてみてはいかがでしょうか。(初回審査無料)
詳しくはこちら:https://jws-japan.or.jp/lp/wnintei/

通年採用をしている有名企業

・ファーストリテイリング(ユニクロ)

一人ひとりが仕事について真剣に考え、主体的に行動し、納得した将来が送れるように、ユニクロでは、一年中いつでも応募を受けつけています。

ユニクロでは、大学1,2年生での応募も大歓迎とし、一度選考で不合格になっても、1期経過すれば再度挑戦ができます。また、選考を進んだ人には「ユニクロパスポート」を発行し、発行から3年以内はいつでも最終面接を受けられる仕組みとなっています。

応募対象者:全学年
https://www.fastretailing.com/employment/ja/fastretailing/jp/graduate/recruit/allyear/

 

・富士通

新卒採用として2021年4月入社を希望する方については、2020年6月以降通年で採用選考を実施しております。
*通年採用については、「通常コース」の中の「自由応募-OPENコース」のみが対象となります。

応募対象者:大学・大学院・高専の卒業/修了(見込み含む)の方
新卒・既卒・職歴不問
https://fujitsu.recruiting.jp.fujitsu.com/recruit/

 

・ソフトバンク

ソフトバンクが提唱する「ユニバーサル採用」では、日本の従来の新卒一括採用とは異なり、挑戦する意欲ある方には広く門戸を開き、自由な時期に自己の意思で活動を行えるようにします。また、募集対象は新卒・既卒は問わず、一度就職をした方でも、再度挑戦することが可能です。

応募対象者:入社時30歳未満の新卒/既卒/就業者
http://recruit.softbank.jp/graduate/recruit/universal/

 

・メルカリ

メルカリは、国籍や学歴(学年、学部、学科)など、一切不問で通年採用を実施しています。

メルカリではインターンシップの受け入れも積極的に行っています。

応募対象者:2020年以降に入社が可能な16歳以上の学生
https://careers.mercari.com/jp/students/#page-4

 

・ヤフー

ヤフーは2016年10月から「新卒一括採用」を廃止し、新卒、既卒、第二新卒など経歴にかかわらず30歳以下の方であれば応募できる「ポテンシャル採用」として、通年採用を行っています。

応募対象者:新卒・既卒・就業者(応募時30歳以下かつ入社時18歳以上)
https://about.yahoo.co.jp/hr/potential/

 

・サイバーエージェント

通年採用。入社時期は個別でご相談させていただきます。

応募対象者:2021年4月に入社が可能な学生(既卒可)
学年、学科、専攻等不問。
https://www.cyberagent.co.jp/careers/about/

まとめ

通年採用を実施することは、今まで出会えなかったような、より多様で優秀な人材を獲得する可能性を秘めています。採用活動が多様化していくなかで、きちんと情報収集をして戦略を練り、効果的な採用活動を行いましょう。