人事、労務部門が知るべきSDGsの目標と3つのメリット

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。SDGsの発音は「エス・ディー・ジーズ」です。

SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標です。
「地球上の誰一人取り残さない(leave no one behind)」を理念とし、持続可能な社会を実現するための17の目標とそれらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

日本でもSDGsの達成に向けて政府を中心に多くの企業・地方自治体が取り組み始めています。
昨今は、授業でSDGsに取り組み学校も増えており、若い年代のSDGsへの関心が特に高まっています。実際に就職活動で「社会貢献」を軸にしている学生も多く、株式会社電通が2020年1月学生向けにSDGsの認知度調査を実施したところ、45.1%の人がSDGsという言葉を認知しており、企業のSDGsへの取り組みは学生が企業を選ぶ指標ともなりつつあります。

ここでは、SDGsに企業が取り組むべき理由と、176の目標の中から人事・労務担当者として関わりの深い目標をピックアップし、具体的な取り組み例をご紹介します。

 

SDGsを構成する17の目標と169のターゲット

冒頭のとおり、SDGsは持続可能な社会を実現するために17の目標とそれらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

※国連広報センター(UNIC)HPより転載

17の目標は5つにグループ分けすることができ、それぞれのグループによってさらに大きな目標を掲げています。

・人間(People)

あらゆる形態と次元の貧困と餓死に終止符を打つとともに、すべての人間の尊重を持ち、平等かつ健全な環境の下でその潜在能力を発揮できるようにする
〔目標:1、2、3、4、5、6〕

・豊かさ(Prosperity)

すべての人間が豊かで充実した生活を送れるようにするとともに、自然と調和した経済、社会および技術の進展を確保する
〔目標:7、8、9、10、11〕

・平和(Peace)

恐怖と暴力のない平和で公正かつ包摂的な社会を育てる。平和なくして持続可能な開発は達成できず、持続可能な開発なくして平和は実現しないため
〔目標:16〕

・パートナーシップ(Partnership)

グローバルな連帯の精神に基づき、最貧層と最弱者層のニーズを特に重視しながら、すべての国、すべてのステークホルダー、すべての人々の参加により、持続可能な開発に向けたグローバル・パートナーシップをさらに活性化し、このアジェンダの実施に必要な手段を動員する
〔目標:17〕

・地球(Planet)

持続可能な消費と生産、天然資源の持続可能な管理、気候変動への緊急な対応などを通じ、地球を劣化から守ることにより、現在と将来の世代のニーズを充足できるようにする
〔目標:12、13、14、15〕

 

人事担当視点で企業がSDGsに取り組む3つのメリット

①企業イメージ、信頼性の向上

SDGsに積極的に取り組む企業としてのイメージ向上が大きなメリットです。社会・環境の課題としっかり向き合う企業であることをアピールできます。

②優秀な人材を惹きつける採用ブランディング

SDGsが目標とする未来の当事者でもある10代・20代の学生は、前項での認知度調査からもSDGsへの関心は想像以上に高く、更にレジ袋の有料化が2020年7月よりスタートしたことでSDGsの取り組みがより身近なものとなった事もあり、今後益々認知度は向上していく事が予想されます。

また、採用面接の場面でもSDGsが話題となる可能性も高く、採用担当者も自社においての取り組みを紹介できるレベルまでしっかり理解しましょう。
企業がSDGsに取り組んでいるかどうか、採用担当者のSDGsに対する取り組みのPR方法で、求職者からの印象は大きく変わります。

③従業員の意識やモチベーション向上

SDGsの従業員研修など実施することで、取り組みを自分ごと化させることができ、社会貢献に対する意識づけを強化することが可能です。さらに、研修で身に付けた知識を生産やサービスなどの業務プロセスの見直しに活かすことで、資源に配慮した経営にシフトすることができ、持続可能な生産消費形態を確保することにつながります。

このように、従業員の社会貢献への意識が高まりは、遣り甲斐が生まれたり仕事へのモチベーション向上にも繋がります。

 

人事・労務担当部門と関わりの深い代表的な目標とは?

人事・労務担当者として関わりの深い取り組みをピックアップし、具体的な取り組み例をご紹介します。

③すべての人に健康と福祉を

健康経営に関連した取り組みがこの目標への取り組みとなります。

従業員の労働環境を整備するために、労働基準法上の残業規制や安全衛生法上の過重労働防止措置などについてコンプライアンス遵守の徹底はもちろんのこと、1つでも多くの企業が健康経営に長期的・持続的に取り組むことで、世界規模で見るSDGsに貢献することにつながることを考えると、健康経営は世界単位で見ても重要な取り組みになってきます。

【具体的な取り組み例】
・法定検診を上回るような人間ドッグの機会提供や一部費用負担
・スポーツジム使用料の補助
・運動を推奨するイベント

【健康経営についての記事はこちら】

ウィズコロナ、アフターコロナ時代における健康経営のあり方

健康経営の取り組みは企業事例から学ぶ!具体策と注意点まとめ

健康経営とは?目的・背景やメリット、企業の特徴をわかりやすく解説

 

⑤ジェンダー平等を実現しよう

あらゆる場所で女性と女児に対する差別に終止符を打つことを狙いとしています。一部の地域では、雇用機会の不平等が未だに大きいほか、労働市場でも男女間に格差が見られます。すでに多くの企業で徹底されつつありますが、労働条件の格差を男女でなくすといったことはジェンダー平等に寄与するとであり、女性の管理職等の登用等もリーダーシップの機会を確保する取り組みに該当すると言えます。

近年は男性・女性というのみにとどまらず、LGBTといったセクシュアルマイノリティの方やLGBTだけではくくれないセクシュアリティについての社会的な関心が高まっています。多様な人材の差別をなくすということを発展的に取り組んでいきましょう。

【具体的な取り組み例】
・就労継続や昇進など女性に不利にならないための環境整備
・仕事と育児の両立支援制度の見直し
・ダイバーシティに関連した従業員への社内研修

 

【ダイバーシティ&インクルージョンについての記事はこちら】

ダイバーシティ・マネジメントとは?導入後の効果的な取り組みを解説

ダイバーシティの必要性って?導入に向けた取り組み方と効果まとめ

 

⑧働きがいも経済成長も

「働きがい」という言葉がでてくるとおり、こちらも人事労務部門にとってはダイレクトに直結する目標と言えます。

更に細かいターゲットとして、「2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性および女性の、完全かつ生産的な雇用およびディーセント・ワーク(働き甲斐のある仕事)、ならびに同一労働同一賃金を達成する。」というものがあります。

働き方改革において、短時間労働者や有期雇用者と正社員の間の不合理な格差を是正するために均等待遇・均衡待遇が義務化されましたが、これも実はSDGsの一つととらえることができます。

中小企業は現在同一労働同一賃金については猶予されているところですが、こうしたコンプライアンス遵守がひいてはグローバルな取り組み目標につながっていると考えるとより意義を感じることができるかもしれません。

【具体的な取り組み例】
・同一労働同一賃金への対応

 

⑩人や国の不平等をなくそう

ターゲットとして「2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々のエンパワーメント、および社会的、経済的、および政治的な包含を促進する。」というものがありますが、いってしまえば、性別の違いや障害の有無、国籍や宗教の違いに関係なく公平な世界を実現するという目標です。

【具体的な取り組み例】
・採用・雇用・賃金・昇進等それぞれのフェーズで障害の有無や性別の違い、国籍の違いで差別をしない公正な採用、労働環境を実現する

 

まとめ

ご紹介してきた通り、SDGsは日ごろの人事労務部門が担当する業務課題と深く関わっており、労働基準法や労働安全衛生法、障害者雇用促進法、男女雇用機会均等法といった、日ごろ人事労務部門が守らなければならない労働関連法をしっかりと守っていくことができていれば、SDGsのグローバル基準の目標にもつながっているのです。

SDGsは企業や採用ブランディングの向上、優秀な人材の確保に重要な役割を果たします。人事担当者もしっかりと理解し、少しづつ取り組んでいきましょう。

そうした目標への取り組みを企業として自社サイトなどで発信する事で示すことで、企業を取り巻く投資家やステークホルダーからの評価を高めることができます。

 

 

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