ウィズコロナ、アフターコロナ時代における健康経営のあり方

健康経営とは、従業員の健康管理を経営課題とし、戦略的に取り組む経営手法で経済産業省も推奨しています。

2019年4月「働き方改革関連法」が施行されたことにより、働く人の健康管理をしながらいかに生産性を引き上げることができるかに企業の関心が高まっていますが、昨今は、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、企業における在宅勤務の実施が急激に進み、健康経営のあり方も変わってきました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大、いわゆるパンデミック(世界的大流行)が去った後を「アフターコロナ」(コロナ後)、ウイルスと共に生きる現在を指して「ウィズコロナ」(コロナとの共存)、感染拡大前の「ビフォーコロナ」(コロナ前)など、パンデミックを起点とし過去・現在・未来を対比させながら社会を表す用語も使われるようになりましたが、健康経営もこの用語に関連した時期に沿って、取り組みの変化が必要であると言えます。

在宅勤務を利用する従業員は、業務環境や生活習慣の急激な変化で心身に蓄積するストレスを早期に対策しなければ心身の不調として顕在化し、仕事のパフォーマンスに影響することが懸念されます。さらに、通常業務に戻ったウィズコロナの時期には体力の衰えや心身の不調により、今まで通りの通勤や業務に支障をきたす従業員が発生することが考えられます。ウィズコロナからアフターコロナにかけて企業の健康経営は今までと全く異なる課題に直面しているのです。

ここでは、ウィズコロナ、アフターコロナの健康経営とは具体的にどのような施策が効果的なのか、詳しく解説していきます。

なお、ビフォーコロナ時代の健康経営については「健康経営とは?目的・背景やメリット、企業の特徴をわかりやすく解説」も併せてご覧ください。

 

ウィズコロナ、アフターコロナの健康経営とは

企業が従業員の健康維持・増進を経営課題としてとらえる健康経営。
2020年に新型コロナウイルス感染症が流行し、企業での働き方が従業員の感染リスクを左右することが認識されたことで、今後は「感染症対策を盛り込んだ健康経営」の必要性が高まります。
さらに、緊急事態宣言が解除され、ウィズコロナ、アフターコロナ時代においては、世の中の変化に柔軟に対応できずに支障をきたす従業員も現れ、企業の新たな健康課題となります。

在宅勤務における健康経営取り組み例

在宅勤務の浸透、急激な生活の変化は従業員にとってストレスを抱えやすい状態になり、職場で会って仕事をしないので、心身の変化に気づきにく、今後健康状態を把握するためのコミュニケーションの工夫も必要となります。ここでは在宅勤務における労働環境の整備や健康状態の管理を企業がどのようにサポートしたらよいのか?懸念される健康状態について紹介します。

労働環境の整備

・環境整備のニーズを従業員からヒアリングし把握
・在宅の環境整備のための福利厚生や制度を検討し展開

健康状態の管理

・在宅勤務中に従業員アンケート調査やオンライン座談会を実施し、従業員の状況やニーズを吸い上げる
・在宅勤務中には定期的(最低週1回)に、1on1を実施し従業員の心身の変化を把握する
・従業員の家族構成や持病有無をヒアリングし感染症ハイリスク者のリストアップ

懸念させる健康状態と会社側で実施する改善案

  • 通勤や業務中の移動距離が短くなることによる運動量の減少
    【改善案】
    ・通勤していた時間で運動を推奨
    ・一日当たりの歩数や運動時間を申請し、競うなどの社内イベントを企画開催する
  • 一人で業務を進めるのにモチベーションが下がり業務効率が落ちてしまう
    【改善案】
    ・朝礼や終礼の実施や業務日報を提出し、チームの業務内容を可視化する
    ・業務開始や終了時はチームに報告をするようにする
  • オンとオフのメリハリがつきにくい
    【改善案】
    ・業務開始時、その日の業務内容をチームへ共有し、仕事開始のスイッチが入るような仕組みを作る
    ・業務中、ランチ以外にも適度な小休憩を入れるように声掛け
    ・業務終了後は、PCや社用形態を片付けるよう促す
  • 使い慣れないコミュニケーションツールや、慣れない労働環境に負担を感じる
    【改善案】
    ・気軽に相談できる仕組み作りをする
    (雑談ができるチャットルール設置、定期的なWEBでの食事・飲み会の開催など)
  • 食べ物が身近にあり間食が増える
    【改善案】
    ・自炊でバランスの 良い食事をとる
  • 喫煙者は仕事中でもすぐ吸える環境になる。さらに解放感とストレスから喫煙回数が増えやすい
    【改善案】
    就業時間中の禁煙・禁酒を徹底する

オフィス復帰時(ウィズコロナ・アフターコロナ時代)の健康経営取り組み例

緊急事態宣言が解除され、引き続き在宅との併用や通常勤務に戻るなど、対応は会社ごとで様々ですが、メディアで「コロナ疲れ」や「コロナうつ」といった言葉が取り上げられるように、企業の従業員が同時に急激な生活習慣やストレス環境の変化に直面しています。ウィズコロナ・アフターコロナ時代においては、どのような健康管理体制が必要になってくるのでしょうか?

職場の感染症対策を盛り込んだ整備

  • 勤務体制
    ・在宅勤務、時差出勤、出社人数をコントロールした交代勤務などの柔軟な働き方推奨
  • 勤務環境
    ・定期的な換気や消毒
    ・社外、社内の会議はオンラインで実施
    ・マスクや消毒液の調達と備蓄
    ・サーモカメラを導入し、出社時に発熱者を検知し、入室を回避、療養を促す
  • サービス業における勤務環境
    ・飛沫感染防止のため、アクリル製の仕切り版を設置して従業員とお客様の安全を確保

懸念させる健康状態と会社側で実施する改善案

  • 体力の衰えによる疲労感増加
    【改善案】

    ・在宅推奨時と同様に、運動を推奨した社内イベントを企画開催する
  • 生活習慣の変化による心身不調
    【改善案】

    ・アプリの活用や健康に関連した講習会を開催するなどセルフケアを促す
    ・管理者による日ごろの声掛けや定期面談を強化する
  • 対面コミュニケーションによるストレス増加
    【改善案】

    ・在宅勤務継続など、従業員にとって最も生産性が向上しやすい働き方に対応する
  • 在宅勤務で対応できず後回しにしていた業務が、オフィス勤務に戻り繁忙度が上がる
    【改善案】

    ・後回しにした業務整理と、チームへの共有、振り分けを実施する

 

健康経営がもたらす4つのメリット

健康経営は従業員にとって「健康になる」「生き生きと働ける」といったメリットがありますが、企業にとっても多くの利点があることを忘れてはいけません。

①労働生産性の向上

健康増進の取り組みによって従業員の心身のストレスが軽減し、疾病による欠勤率が低下することによって、仕事に対するモチベーションが上がり、労働生産性を向上させることができます。

②企業価値やイメージの向上

健康経営の取り組みを情報発信することで、従業員の健康に配慮している企業として認知され評価されます。
また「ホワイト企業認定」や「健康経営銘柄」や、「健康経営優良法人」に選出されることで、企業価値が向上し、優秀な人材が集まりやすくなります。

③従業員の定着・離職率の改善

従業員の健康への配慮は、疾病やメンタルヘルスによる不調を予防するだけでなく、従業員に安心感を与え、企業に対する貢献意欲を高めます。
労働環境を整備することで、従業員の満足度が向上し定着しやすくなるため、離職率の改善が期待できます。

④医療費の負担が減る

健康経営の導入により従業員が健康になると、疾病率が下がり企業が負担する医療費は軽減します。また、退職者に対する高齢者医療費に関わる負担額の削減や、疾病を原因とした長期休暇取得率の低下にも繋がります。

 

健康経営がもたらす4つのメリット

①労働生産性の向上

健康経営を成功させるためには、企業のトップ(経営陣)が先陣を切って取り組まなければなりません。健康経営は経営方法の1つであることを理解し、その重要性を従業員に向けて発信することが大切です。

②企業価値やイメージの向上

康経営の取り組みを始めたらそれで終わりではありません。健康経営を推進するには、取り組みを実施したら必ず検証をして、次の取り組みに生かせるよう「ストラクチャー(構造)・プロセス(過程)・アウトカム(成果 )」の3視点から評価をすることが重要です。詳しくは「厚生労働省-標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会 (2)評価の観点」をご覧ください。

そうすることで、PDCA(Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善))がしっかり機能する体制が整い、業務の効率化が期待できます。

 

③従業員の定着・離職率の改善

健康経営は制度や施策を展開するだけでなく、各部門が連携し、職場全体を巻き込んで取り組むことが重要です。また、ウィズコロナ、アフターコロナ時代における健康経営は「感染しないこと」を目指すことだけではなく、感染予防をしつつ、仕事に「イキイキ」と前向きに取り組める状態づくりと併せて考えることが重要です。

この機会に、社内環境と制度を見直して従業員のエンゲージメントを向上させていきましょう!
取り組みを実施したことをPRしたい、評価を得たい、となった際には、
弊財団のホワイト企業認定 の取得や経済産業省の健康経営銘柄 の取得をし、採用活動にお役立てください!!

 

 

④医療費の負担が減る

企業のホワイト化を総合的に評価する国内唯一の認定制度

ホワイト企業認定は、“次世代に残すべき素晴らしい企業”を発見し、ホワイト企業認定によって取り組みを評価しています。人々がそれぞれの個性と特徴を活かしながら、溌剌と創造的に働く。そのような企業を発見、普及する制度です。

ホワイト企業の要件について、1,000社以上の調査実施により企業のホワイト化で取り組むべき70設問を作成。この70設問を7つの項目にわけ、バランスよく取り組んでいる企業にホワイト企業認定を付与しています。

一つの取り組みだけではなく、総合的に判断・評価しているのは、日本の認定組織においてホワイト企業認定のみです。
自社PRに加え第三者組織からの認定を活用しレコメンド効果を得て、採用活動や企業広報にお役立てください。