テレワークの勤怠管理、押さえるべきポイント

新型コロナウイルス感染症対策の中、日本企業の働き方の一つにテレワークが浸透されてきています。
テレワークをする従業員の勤怠管理義務の責任を負っている一方、「従業員が見えない状況下で勤怠をどう管理したらいいの?」など、導入にあたって一番の懸念は勤怠をどのように管理するか、という点です。

総務省の行った「ICTによるインクルージョン実現に関する調査研究」によると、テレワーク導入の課題についてトップは「会社のルールが整備されていない」(49.6%)であったと明らかにしています。

ここでは、テレワークを導入するにあたり企業が勤怠管理において準備するべき3つのルールと、テレワークで残業が発生しないための2つの工夫、テレワークにおける就業規則について解説していきます。

企業が事前に準備するべきテレワーク勤務の3つのルール

ルールがなく曖昧なままテレワークを運用すると、会社と従業員で認識のズレが招じ、勤務方法についてトラブルになる可能性があります。事前にルールを徹底し、管理する側とテレワーク利用者の「信頼関係」を築き、両者にとって快適な運用をしましょう。

①利用する場合の申請期限、承認フロー

テレワーク実施日のいつまでにどのような申請が必要か、誰に承認が必要かを決定しましょう。
複雑化すると利用しにくくなりますので、気軽に利用できる仕組みにしましょう。

②始業・就業の報告

従業員の勤怠状況を管理するため、始業、及び終業の時刻の報告・記録先を予め決定しましょう。
記録先の候補として以下の3点があります。

・電子メールやチャットなど、社内連絡ツール
使い慣れた連絡ツールで業務の報告を行い、チーム内で記録を共有できる特徴があります。

・電話
口頭ベースで時間がかからず、コミュニケーションの時間が取れる特徴があります。

・勤怠管理ツール
管理者が大人数を管理しやすく、個別に報告する手間がかからない特徴があります。

③業務報告を徹底させる

テレワーク実施前日までに、業務予定内容を報告。また、当日実施した業務と進捗についても報告するようにしましょう。
また、WEB会議システムを活用して朝礼、終礼を実施し、その際にタスクの共有や問題点を報告するような仕組みにすると、従業員の様子を確認しながら進捗を確認する事もできるためお勧めです。

テレワークで残業が発生しないための2つの工夫

モートワークは職場出勤に比べて勤怠管理が複雑で、残業時間が膨らむ可能性があります。残業時間が発生することをさけるためには、会社が在宅労働者の残業状況を把握できる体制づくりが不可欠です。そのため、企業は残業を許可制にするなどの工夫が必要となってきます。

 

①上長が事前に業務内容を把握する

残業が発生しないよう、まずは仕組み作りをするが大切です。テレワークを実施する前に、一日の業務内容とそれぞれに発生する業務時間を報告してもらうようにすれば、事前に業務量を把握することが可能です。業務過多が発生している場合には、上長が業務設計をし直し、残業を防ぐこともできます。

②やむを得ず、残業する場合には事前許可制にする

労働者の判断で残業時間が長くなり、会社が知らないうちに未払残業代が増加することを未然に防ぐため、時間外労働の事前許可・事後報告を徹底しましょう。また、申告された残業が本当に必要だったかを裁判で争うことが起きた場合に、業務内容の定期的な報告も徹底することが大切です。

事前許可の内容については、
・予定残業時間
・業務内容
・理由
上記をフォーマット化し、申請してもらうようにしましょう。
また、終業1時間前など、事前の申請時間を定めておくと、チームで振り分けができ、残業削減に繋がります。

【その他】「事業場外労働によるみなし労働時間制」を検討する

①、②のルールを運用しても、どうしても残業が発生してしまう場合には、例外的な働き方として「事業場外労働によるみなし労働時間制」という制度があります。
「事業場外労働のみなし労働時間制」とは、社外で業務を行う労働者の労働時間を把握することが困難な場合に、実労働時間にかかわらずその労働時間を一定時間とみなす制度です。

テレワークはオフィス外での勤務となるため、労働時間の把握が困難な場合に当てはまり「事業場外みなし労働時間制」を適用することができると思われがちですが、
現在は、インターネットを通じてテレワーク従業員の勤務状況もある程度明確に把握することができる場合多いため、制度が適用されるかどうかは慎重に判断する必要があります。

「事業場外みなし労働時間制」について詳しい情報は、厚労省が公表している「在宅勤務での適正な労働時間管理の手引」を参考にしましょう。

 

テレワーク導入と就業規則

テレワークを導入にあたり、労働時間制度やその他労働条件が同じである場合は、就業規則を変更しなくても、既存の就業規則のままでテレワーク勤務が可能です。しかし、従業員に通信費を負担させるなど、通常勤務と異なる場合が生じる際には、就業規則の変更が必要となります。
既存の就業規則にテレワーク勤務に係る規定を盛り込むか、新たにテレワーク勤務規程書を作成するか、社内で検討しましょう。

上図:厚労省「テレワークモデル就業規則~作成の手続き~」より

テレワーク勤務を導入する場合、一般的に就業規則に定める必要のある内容

・テレワーク勤務を命じることに関する規定
「利用できる対象者」
「テレワーク勤務の定義」
「服務規程」
「セキュリティガイドライン」

・テレワーク勤務用の労働時間を設ける場合、その労働時間に関する規定
「労働時間、及び休憩時間」

・通信費などの負担に関する規定

 

まとめ

テレワークが浸透されれば、地方の中小企業でも優秀な人材を確保しやすくなり、各従業員の希望に合わせた柔軟な働き方も可能になり、大きな可能性を秘めた働き方です。ただ、テレワークを企業側が使いこなすには、労働者の管理方法について正しい知識を付ける必要があります。特に時間の管理や残業代などは曖昧なままにしていると、後々大きなトラブルに発展するリスクも抱えています。トラブルを回避するために必要なのは、事前にルールを徹底し、決定事項はすべて就業規則に盛り込むことです。しっかりと事前に取り決めをし、双方の理解を深め、テレワークを活用し、企業の可能性を広げていきましょう!

なお、中小企業を対象とした、テレワーク助成金があります。

▼働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)

https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000636399.pdf

申請をご検討の場合には、認定コンサルタントへご相談ください。