現在(2020/05/13)、私たちの暮らしに大きな影響を与えている新型コロナウイルス感染症。
この機会に急いでテレワーク制度を導入した企業も多いと思いますが、やっぱり対面じゃないとやりづらいな、などと考えている方もいるのではないでしょうか。
コロナ騒動が収まってからも、テレワークは私たちの働き方の一つとして浸透していくと考えられます。
この記事では、テレワークを成功させるために、大事なポイントについて説明していきます。
1.テレワーク導入のメリット
まずは、テレワーク制度を導入することの目的や、得られる利点について整理していきます。
①コスト削減
テレワークが導入されることで、様々なコストの削減ができます。
通勤に伴うコスト、オフィスにいる社員が減る(またはいなくなる)ことによるオフィススペース確保のコスト、電気代などのコストなどが挙げられます。
また、テレワークをするにあたってはペーパーレス化が重要となりますので、ペーパーコストも削減することができます。
②生産性向上
在宅勤務や、サテライトオフィスでの勤務をおこなうことで、周りの社員から話しかけられて業務が中断する、ということがなくなり、集中して業務を行うことができます。営業職であれば、お客様からの連絡があったとき、どこにいても迅速な対応をすることができるようになるというメリットがあります。
接客部門など、テレワーク勤務が本質的に難しい業務に関しても、リモートで実施できる業務を洗い出し、育児・介護・自らの傷病など、時間制約のある社員を対象に推奨することでワークライフバランスが充実し、社員のモチベーションアップに繋がり生産性が向上します。
③BCP(事業継続計画)対策
BCPとは、自然災害、テロ、パンデミックなどの緊急事態において、事業継続の視点から対応策をまとめた計画のことです。
テレワーク制度を整えることで、交通機関がマヒしているなど、オフィスへ行くのが困難な状況であっても、業務を行うことが可能となります。
BCPは、緊急事態の際に影響を受けやすい中小企業こそ整備しておくべきものですが、きちんと計画を作成しているのは大企業がほとんどであるのが現状のようです。
④人材確保
テレワーク制度が整備されていれば、遠方に住む人や、オフィスへの通勤が大きな負担となる高齢者、障がい者とも一緒に働くことができます。雇用する人材の幅を広げることができ、人材不足問題の解消につながります。
2.テレワーク導入のデメリットと解決策
使用者側からも労働者側からも利点が多くあるテレワーク制度ですが、実際に導入をするとなると不安に感じる点・課題点も出てきます。
①導入に費用がかかる
先ほど、「テレワークはコスト削減になる」といいましたが、ゼロからテレワークを導入・整備するためには、様々な費用がかかります。「長い目で見ればコストが減らせるとわかっていても、今そんなところに使うお金はない…」という企業も少なくはないでしょう。
解決策:助成金や補助金制度を利用する
テレワークを導入したい中小企業に向けて、助成金や補助金の制度が用意されています。以下の記事では、コロナ対策に利用できる補助金・助成金についてまとめていますので、参考にしていただければ幸いです。
(助成金まとめ記事URL)
また、自社でどの助成金を活用したらいいか?申請する方法がわからない場合には、申請手続きを代行してくれる認定コンサルタントの活用もお勧めです。
②マネジメントが難しくなる
テレワークに対して否定的な人の意見として、「上司の目がなくなり、サボる社員が出てくるのではないか」「逆に、隠れて残業をするのではないか」というものがあると思います。部下の側としても、そう思われているのではと考えると不安になり、テレワークに対して消極的になる原因となります。
解決策:情報共有を徹底する
テレワークを実施する際には、出退勤の報告、各々のスケジュールの共有、成果物の提出等を徹底することで、社員の労務管理をすることになります。オフィスにいるときに比べると、社員それぞれの自己管理能力が重要となるのは確かですが、本質はどこで働いていても変わりません。根本的に、管理者と従業員の間に信頼関係を築くことが大切になってきます。
とはいえ、新入社員など、業務スキルや自己管理能力に不安がある者に対しては、上長とビデオ通話をつなぎっぱなしにしたり、パソコンの前にいるかを確認するアプリケーションを利用したりすることで、いつでも進捗を確認・相談できる状態にしておくと、きちんとしたフォローをすることができます。
③セキュリティ面が心配
様々な場所で業務を行うことで、社内情報が漏洩したり、消滅したりするリスクが大きくなります。人目のある場所で、パソコンの画面を開いたまま離席する、社内から持ち出した紙媒体の情報を放置する、機器を置き忘れる等、セキュリティ意識の及ばない行為をする社員が出てくるかもしれません。
解決策:情報セキュリティ対策を行う
環境整備とルール作りをきちんと行った上で、社員全体のセキュリティ意識を高めるため注意喚起を実施することが大切です。
特に紙媒体は、情報漏洩のリスクが非常に高いといわれています。テレワークを進めるにあたっては、ペーパーレス化を進めていくことも重要なポイントです。
④チームワーク感が薄れる
テレワークでは、チャットやビデオ会議ツールを用いて、コミュニケーションを取ります。オフィスで業務をしていれば気軽に話しかけることができますが、チャットの文章だけだと冷たい印象を与えてしまったり、温度感がうまく伝わらないことがあります。その結果、プロジェクトがスムーズに進まないといったことがあるかもしれません。ちょっとした雑談がしづらいことで、一人ぼっちのさみしさを感じる人もいるようです。
解決策:意識してコミュニケーションをとる工夫をする
テレワークでも円滑にチームで作業をするためには、実際に会って仕事することに依存しないチームワークづくりが大切になってきます。
始業時間と終業時間にはビデオ会議をつないで、作業の予定や進捗を共有し、業務中も報告・連絡・相談を徹底します。
また、部屋に一人でパソコンと向き合い続けていると、どうしても気が滅入ってしまい、モチベーションや集中力の低下を感じる人もいると思います。些細なことでもビデオ通話で話せる空気感や、仕組みを取り入れることで、距離としては離れていてもチームとして一緒に働いている感覚を得ることができ、コミュニケーションを円滑にすることができます。
3.まとめ
オフィスに集まって働くのが当たり前だったのに、急に在宅勤務に…。今まで通りにいかないことも数多く出てくると思います。
試行錯誤を繰り返しながら、会社全体で取り組みきることが、テレワークだけでなく、新しい仕組みづくりには欠かせません。
世間は大変な状況ですが、企業を成長させるチャンスととらえ、前向きに取り組んでいきましょう。