ワーケーションとは?導入するメリット・デメリット、準備すべきことや企業事例を紹介

新型コロナウイルスの感染は拡大し続けており、ウィズコロナ時代はまだまだ終わりが見えない状況が続いています。そんな中で話題になっているのがワーケーションという働き方です。人事担当者の方に向けて、ワーケーションとはどういう意味なのか、導入することによって得られるメリットやデメリットについてまとめていきます。実際にワーケーションを導入している企業事例や、導入準備に役立つ情報などを紹介していますので、参考にしていただけると幸いです。

 

ワーケーションとは

ワーケーションとは、「work(仕事)」と「vacation(休暇)」を組み合わせた造語であり、リゾート地や帰省先など、職場や自宅とは違う環境で働きながら休暇も取得するという行為を指す言葉です。

元々は2000年ごろのアメリカで広まったとされており、2020年7月に官房長官だった総理が「ワーケーションを新しい旅行や働き方のスタイルとして普及していきたい」と発言したことで注目されています。

ワーケーションには、旅先に滞在する日数のうちで休暇の日と仕事の日をあらかじめ決めておく「長期滞在型」ワーケーションと、緊急性の高い業務を急きょ休暇先で行う「セーフティネット型」ワーケーションがあります。

 

ワーケーションを導入するメリット

ワーケーションを企業が制度として導入する利点とは何でしょうか?具体的に紹介していきます。

休暇取得を推進しやすくなる

旅行会社のエクスペディアが行った「有給休暇国際比較調査2019」において、日本、アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、香港、インド、マレーシア、シンガポール、韓国、タイ、台湾の19か国のうち、日本の有休取得率は最下位の50%となっています。また、有給取得の仕方について、「短い休みを複数回取得する」と回答した割合が51%と、他国と比べて一番多い割合となっています。

緊急時のために残しておきたい、仕事に穴をあけたくないなどの理由から、長期休暇を取得することに抵抗がある人が多いことも日本の有休取得率が低い原因となっているようです。

ワーケーション制度を導入し、使用してもらうことで、長期休暇の最中に仕事をする日を設けることという働き方ができ、有給休暇の取得を推進することができます。

柔軟性の高い働き方を実現できる

今後労働人口の多くを占める「ミレニアル世代」と言われる人々は、ワークライフバランスを重要視していることが多く、働き方についての考え方が多様になっています。今後優秀な人材を確保し、定着させるためには、各人の望む働き方が実現できる環境かどうかが重要となってきます。リモートワークや時短勤務などと合わせてワーケーションを導入することで、より多様な働き方に対応することができます。

健康経営が維持できる

普段働くオフィスや自宅とは違う環境で働けるワーケーション制度は、従業員がリフレッシュし、健康経営を維持できる効果があります。従業員エンゲージメントを高めることもでき、仕事へのモチベーションアップにつながります。

 

ワーケーションを導入するデメリット

前項でワーケーションのメリットをご紹介しましたが、企業が感じるデメリット・課題点も紹介していきます。

導入・運用コストがかかる

ワーケーションを導入するためには、どこにいても連絡ができるコミュニケーションツールや、Wi-Fiなどのネットワーク環境が必要になります。導入し、運用していくためのコストを負担せねばなりません。

労務管理の仕組みづくりが必要

元々タイムカードやICカードなどで勤怠管理を行っている場合は、ワーケーション導入にあたって、管理の仕組みを考え直す必要があります。勤怠管理システムを利用することや、時間でなく成果での管理方法にシフトチェンジするなどの方法が考えられます。

リモートワークの体制ができていないと実施できない

ワーケーションを導入する前に、自宅やサテライトオフィスなどで仕事をするリモートワークができるような体制を整える必要があります。新型コロナの影響で、急激に整備が進んだリモートワーク制度ですが、まだ導入・実施していない企業や活用していない企業では、リモートワークでの勤務を従業員に促し、ミーティングをオンラインでつなぐことや、コミュニケーションツールでの共有癖をつけておくなど、全員がオフィスにいなくても業務ができる体制を整えた上でワーケーションも導入していくことが必須です。

 

ワーケーションを導入している企業事例

ワーケーションを導入する際に、事前にメリット・デメリットを浮き彫りにしておく、ということです。その際、自社において展開する前に試験的にワーケーションを取り入れることも大切ですが、すでに実践している企業の事例を参考とすることも一つの方法です。

ここでは、ワーケーションを既に導入し、成果をあげている企業を紹介していきます。

日本航空株式会社(JAL)

日本航空株式会社では、時間と場所にとらわれない働き方を推進するための一環として、2017年よりワーケーションを導入。テレワークなどの柔軟な働き方とともに、さらなる休暇の取得推進を目指している。今まで長期休暇の取得を踏みとどまっていた社員に向けた、休暇取得のセーフティネットとしての利用が期待されている。ワーケーションを普及させるため、2017年12月と2018年1月に社員向けの体験ツアーも開催。各地の施設や観光地を紹介する冊子を配布するなど、制度周知にも力をいれた。

参考記事:社外報『明日の翼』「JALのワークスタイル変革」

株式会社セールスフォース・ドットコム

顧客情報管理(CRM)大手である、株式会社セールスフォース・ドットコムの日本法人では、社内の課題であったビジネスの東京一極集中を解決するとともに、日本の地方創生を推進する目的で、2015年10月に和歌山県白浜町にサテライトオフィス「Salesforce Village」を開所。常に10人以上の社員が滞在しており、東京オフィスより生産性が20パーセント高いという結果もでている。

参考記事:ワーケーション拠点としての未来

株式会社三菱UFJ銀行

株式会社三菱UFJ銀行では、2019年度より、普段と異なるオフィス環境で仕事をすることによって「生産性や創造性の向上」、「従業員のモチベーション高揚」といった効果を狙うとともに、家族との休暇に併せるなど、「柔軟な働き方」を提案するものとしてワーケーションを推進。

和歌山県白浜町に三菱地所が2019年5月よりワーケーションオフィスとして「WORK×ation Site(ワーケーション サイト) 南紀白浜」を開業し、そこに三菱UFJ銀行も入居している。
また、三菱UFJ銀行は2019年7月、軽井沢町の自社施設内において自社行員のためのワーケーション施設を新設。2018年度にサテライトオフィスを全国6ヶ所に設けるなど、リモートワーク、ワーケーションに積極的に取り組んでいる。

参考記事:
ワーケーションが世界を相手にするスタートアップにとって意味するもの~巨大なビジネスチャンスへの入り口となる可能性
MUFGホームページ「働きやすい職場」

株式会社あしたのチーム

人事評価サービスを提供する株式会社あしたのチームは、サテライトオフィスを利用したワーケーションの推進を目的に、リフレッシュ休暇制度を2020年10月より一部変更。長期休暇と掛け合わせてインセンティブを付与することで、戦力社員の長期離脱防止、有給休暇の取得率向上、健康経営、生産性アップを目的に導入。ワーケーション先には、サテライトオフィスとして当初から共に取り組んできた徳島県三好市をスタート。この取り組みが、地元雇用(維持)だけではなく、都市部からの労働者への呼び込みにつながり、長期的な展望としては移住(増加)の一助になることを期待し、取り組んでいる。

また、あしたのチームは、第5回ホワイト企業アワード コロナ対策部門を受賞しています
https://mag.jws-japan.or.jp/interview/ashita-team/

 

ワーケーション導入にあたっての準備

それでは、実際にワーケーション制度を導入するにあたって、人事担当者が必要な準備内容について紹介していきます。

制度設計

制度を作成していく中で、どういった場所での勤務を許可するのか、勤務時間の管理をどのように行うのかなどを決め、明示することが必要です。勤怠管理用のシステムで、離れた場所にいてもオフィスで働く人と差の出ない評価ができるような仕組みを整えましょう。

コミュニケーションツール

日ごろから、オンライン会議ツールやチャットツールなどを用いて、オフィスに集まっていなくとも十分にコミュニケーションがとれる環境を整備し、従業員全員がコミュニケーションツール慣れておくことも大切です。

セキュリティ対策

それぞれの場所で安全に業務が行えるよう、セキュリティ対策を万全にし、従業員自身のセキュリティ意識を高めるためのセミナーや啓蒙活動なども定期的に行うことが望ましいです。

ワーケーション先の検討

「ワーケーション自治体協議会(WAJ)」は、ワーケーションの受け入れを希望し、
促進・普及活動をしている全国の自治体が集まり、結成された団体です。
「どこかの地域で実践してみたい!」という企業は、ワーケーション自治体協議会会員の自治体担当部門に相談してみましょう。

 

まとめ

まだ日本ではあまり定着していないワーケーション制度ですが、新型コロナウイルス感染症の猛威が続く中、場所に縛られない働き方のひとつとして取り入れられていくことが予想されます。より柔軟で多様な働き方を実現できる環境を整えることで、優秀な人材を確保し、成長しつづける企業を目指しましょう。

レコメンドリクルーティングに強い「ホワイト企業認定」

企業のホワイト化を総合的に評価する国内唯一の認定制度

ホワイト企業認定は、“次世代に残すべき素晴らしい企業”を発見し、ホワイト企業認定によって取り組みを評価しています。人々がそれぞれの個性と特徴を活かしながら、溌剌と創造的に働く。そのような企業を発見、普及する制度です。

ホワイト企業の要件について、1,000社以上の調査実施により企業のホワイト化で取り組むべき70設問を作成。この70設問を7つの項目にわけ、バランスよく取り組んでいる企業にホワイト企業認定を付与しています。

一つの取り組みだけではなく、総合的に判断・評価しているのは、日本の認定組織においてホワイト企業認定のみです。
自社PRに加え第三者組織からの認定を活用しレコメンド効果を得て、採用活動や企業広報にお役立てください。